とてもユニークな神経科医を描いた奥田英朗さんの「イン・ザ・プール」を読みました。
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※ この記事は税理士かわべのブログで掲載してものを転載し加筆・訂正したものです。
作品情報
出版社、出版年月等
単行本;2002年 文藝春秋
文庫本;2006年 文春文庫
あらすじ
伊良部総合病院の神経科医、伊良部一郎の活躍(?)を描く短編集。
伊良部総合病院の地下1階にある神経科には、様々な患者が訪れる。下痢が頻発するようになってしまったサラリーマン、股間が大きくなったままもとに戻らなくなった男、ストーカー被害に合うコンパニオン、携帯が手放せない高校生、たばこの火の始末が気になるルポライター。伊良部先生のユニークな治療は有効なのか?
収録作品
- イン・ザ・プール
- 勃ちっ放し
- コンパニオン
- フレンズ
- いてもたっても
雑感
これは面白いです。(以下、ネタバレあります。)
ネタバレあり
神経科の小説ということで、暗い内容を想像していましたが、このイン・ザ・プールは、治療らしい治療をしない医学博士、伊良部一郎を通して、様々な患者をユニークに描いていて暗い内容ではありません。
伊良部先生は、患者を一杯のコーヒーで患者をリラックスした状態にして、少しずつ話を聞いていく。まったく関係のない話をしながらも、定期的に患者と接し、対話を続けていくことによって患者と心を通わせていく描写がとても面白く描かれています。
この作品で描かれている患者は、ひょっとしたら自分にも当てはまるのではと思う症状を抱えています。体調がすぐれなく病院で検査をしてもはっきりとした原因がわからなかったり、鍵をかけたか?と心配になったりすることは誰にでも起こることかも知れません。
伊良部先生と患者の会話が絶妙で、伊良部先生と話しをしてみたいと思ってしまいました。
収録されている5つの作品はどれも面白いですが、私のお気に入りは「フレンズ」。
この作品では、10年以上前の作品なので「携帯中毒」の高校生が描かれていますが、今は「スマホ」中毒といったところでしょう。携帯で繋がっている友達、本当は・・・。最後にはちょっとした悲しみと喜びが描かれていてとても良いです。
次回作がとても楽しみです。
_/_/_/_/_/_/_編集後記_/_/_/_/_/_/_
ここ数日、腰を痛めて動くのに苦労しています。そんななか昨日は大腸カメラ検査。事前に家で薬を服用し大腸をきれいにしてから検査を受けました。大腸カメラ検査は、胃カメラ検査に比べると苦しくないので気楽に受けられますが、事前の準備は大変ですよね。
昨日は何回、トイレにいったことか・・・。