医師たちの葛藤を描く海堂尊さんの「ブラックペアン1988」

ブラックペアン1988-アイキャッチ

医師たちの葛藤を描く海堂尊さんの「ブラックペアン1988」を読みました。

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作品情報

出版社、出版年月等

単行本;2007年 講談社

文庫本;【上、下】2009年 講談社文庫、【新装版】2012年 講談社文庫

あらすじ等

1988年、東城大学医学部に入局した世良は、外科教室に君臨する佐伯教授、赴任してきたばかりの高階講師、技術は一流だが他の医局員から距離を置いている渡海の3人個性的なキャラクターに翻弄されながら、外科医としての階段を上り始める。

新しい技術を取り入れようとする高階講師と佐伯教授の対立に渡海の思惑がからみ、佐伯教授の過去が明るみにでる。

(以下、ネタバレあります。)

雑感、ネタバレあり

最近、海堂尊さんの作品を読んでいませんでしたが、ドラマ化されることもあり、久しぶりに読みました。

ミステリーという要素はあまり感じられず、医術等が細かく描かれ、ミステリーではなく医療小説という印象です。と言ってもあまり堅苦しい文体ではないので、スラスラ読むことができます。

1988年が舞台ということもあり、医術が今よりも古いのも特徴の1つかと思いますが、癌について当時は嘘をつく(症状が似ている別の病名を告げる)のが当たり前だったようです。

日野原先生のドキュメンタリーで癌告知の難しさを医師達が議論するシーンが写っていたのを思い出しました。先日の岩木一麻さんの「がん消滅の罠」でも告知の難しさについて描かれています。(現実と小説では全くことなるとは思いますが、告知で思い出した作品なので書きました。)

関連記事 余命半年の患者のがんが寛解する謎に迫る、岩木一麻さんの小説「がん消滅の罠」

世良の目を通して医局を描いていますが、高階、佐伯、渡海の3人の医師が中心となる人物のような印象を受けます。それぞれの思いがあり、それぞれ異なる見解を持ちながら1つの職場で医療に向き合う姿勢がなかなか良く描かれています。

佐伯教授が「悪」というような印象を受けますが、一概には言えないでしょう。なかなか考えさせられる部分が多いです。

ドラマでは嵐の二宮和也さんが渡海役ということで、渡海を中心に描かれるようです。時代設定はどうするのか?楽しみです。

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関東は春の嵐ですね。

海堂尊さんのチームバチスタシリーズは、何冊か読みました。どれもこれも面白いです。ブラックペアン1988には、学生の田口公平が登場します。(ほんのちょっとですが)白鳥圭輔は出てきません。