企業の城下町の衰退を描いた池井戸潤さんの「架空通貨」

架空通貨-アイキャッチ

企業の城下町の衰退を描いた池井戸潤さんの「架空通貨」を読みました。

(Amazonより)

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作品情報

出版社、出版年月等

単行本;2000年 講談社(題名「M1」)

文庫本;2003年 講談社文庫

あらすじ

商社マンを辞めて高校教師となった辛島の教え子である麻紀の父の経営する会社、黒沢金属工業が1回目の不渡りをだし、倒産の危機に瀕し、麻紀は黒沢金属工業が引き受けた社債を発行した会社、田神亜鉛に期限前償還の交渉に行く。

辛島は、麻紀を追いかけ田神亜鉛のある町へ向かい、麻紀を見つけ田神亜鉛を訪れる。交渉はうまくいかなかったが、田神亜鉛のある町で流通している『田神札」と呼ばれる独自の通貨を黒沢金属工業の元社員の牧村らの協力を得て調べていくが・・・・・・おそろしい実態が明かになっていく。

雑感

池井戸淳さんの2作目の作品です。(旧作品名は「M1」です。)

(以下、ネタバレあります。)













ネタバレあり

池井戸さんの初期の作品ですが、最近になった読みました。

架空通貨の発行という大胆な発想ですが、コピー機でコピーできないような工夫がされているなど、なかなか良い設定です。

架空通貨が割引で取引される時点で、紙幣としての価値が低く、つかまされたら危険だと誰もが考えますが、取引停止のことを考えると断りきれない下請けの現実の厳しさが良く描かれています。

私募債、架空通貨など、経済の用語が多いですが、なかなか楽しめました。

架空通貨 (講談社文庫)posted with ヨメレバ池井戸 潤 講談社 2003-03-15 AmazonKindle楽天ブックス楽天kobohontoe-hon紀伊國屋書店