天才ピアニスト達の国際ピアノコンクールでの演奏を鮮やかに描いた恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」を読みました。
あらすじ
三年に一度開催される国際ピアノコンクール。書類選考によって一次予選への参加者が決められるが、落選したものを対象にしたオーディションも開催されていた。
オーディションに現れた素朴な少年。かつて天才ピアニストと言われた音大生。楽器店に勤務するサラリーマンなど。
熾烈な競演が行われるコンクールのオーディション、一次、二次、三次、本選を描く。
雑感
私好みのミステリーではなかったですが、とても面白かったですね。すごいです。恩田陸さん。(以下、内容に触れる部分があります。)
雑感(内容に触れています。)
音楽を文字で表す。とても難しいことだと思います。
この作品は、読んでいると頭のなかに音楽が浮かんできます。
知らない楽曲が多いので、実際にはどんな曲かわからないのですが、文章から情景が浮かんできます。
コンクールに関係するピアニスト、その友人、審査員、調律師など複数の視点から描かれているので、次の展開が気になりぐいぐいと物語に着こまれていきました。
文庫本に掲載されている編集者の方のあとがきを読むと、7年、71回にわたって連載された作品ということです。
一気に読みましたが、実際には、長い年月をかけて作られた作品ということで重みを感じました。
これはすごいね。是非。
作品情報
単行本;2016年 幻冬舎
文庫本;2019年 幻冬舎文庫
受賞
第156回(2016下) 直木賞
LINK 公益財団法人日本文学振興会>直木賞受賞者一覧
2017年本屋大賞(第14回:2016年11月~2017年4月実施) 大賞
LINK 本屋大賞>過去の本屋大賞