音楽ミステリー(※)。中山七里さんの「さよならドビュッシー」を読みました。
※ 宝島社文庫:裏表紙より
(Amazonより)
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あらすじ
ピアニストを目指す遥は、ある日、祖父と従姉妹と一緒に離れに寝ることになった。
その夜、火事に遭い、皮膚移植を受けた少女は退院後、再びピアノを弾き始める。
ピアニストの岬のレッスンを受けながら、次第に指が動くようになり、コンクールで演奏をすることを目指すが、少女の周りで不可解な事件が発生する。
雑感
中山七里さんの作品は「贖罪の奏鳴曲」を最初に読み、なかなか面白かったので、デビュー作を手に取ってみました。
今作も面白かったですね。(以下、ネタバレあります。)
雑感(ネタバレあり)
主人公は、松葉杖が必要なほどの大けがをおいながら、ピアノを弾いてコンクールでの演奏を目指します。
設定として奇抜なので、現実味はありませんが、どうなるのだろう?と物語に引き込まれます。
ピアノコンクールというと恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」を思い出しますが、この作品もピアノ演奏の魅力が描かれています。
大火傷からの復活し、ピアノコンクールでは、どんな演奏をするのだろうということも気になるのですが、主人公の周りでいくつか事件がおこります。ピアノの描写に気を取られていると、いろいろと張り巡らされている事件の伏線を見逃してしまいます。
私は見事に見逃したので、読破後、読み返したくなりました。
(本当のネタバレ)
この作品は、最初になんとなくプロットがわかりました。ミステリー好きの方なら当然予想する結末の1つかと思います。
結末が予想されたものと同じだと、ちょっとがっかりしますが、この作品は、いくつかひねりがあり、とても楽しめました。
作品情報
単行本;2010年 宝島社
文庫本;2011年 宝島社文庫