デパ地下の和菓子店の物語。坂木司さんの「和菓子のアン」を読みました。
(Amazonより)
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あらすじ
高校を卒業してデパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めた梅本杏子の目を通して、和菓子やお客様のちょっとした謎を楽しく描いた物語。
雑感
ほっこりしてとても楽しめました。(以下、ネタバレあります。)
雑感(ネタバレあり)
探偵、警察、スパイ、企業などのミステリーが好きな私が、あまり期待しないで手に取った作品ですが、意外にもとても楽しめました。
心が落ち着くというか、ほっこりする作品です。
私が好んで読む作品には、殺人、裏切り、冤罪、ハラスメントなど、心が荒む設定が多いので、特に「ほっこり」という印象を持ったのかも知れません。
逆に言うと、和菓子に毒が仕込んであったり、ライバル店の嫌がらせやデパートのフロア長の理不尽な要求があるなんて展開を期待する人には、ちょっと物足りない作品なのかも知れません。
ゆっくりと落ち着いた気分で読んでください。
主人公の梅本杏子(通称「アンちゃん」)は、高校を出て特にやりたいことが見つからない女の子です。ふらりと寄ったデパ地下で求人を見つけ、和菓子店の「みつ屋」に勤務します。
店長の椿さん、イケメン正社員の立花くん、学生でバイトの桜井さんなど個性豊かな面々と和菓子を販売することになるのですが、季節ごとの和菓子の説明を読んでいると、食べたくなります。(上等な生菓子でなく大福でもいいので、食べたくなりますよ。)
ミステリーとしてもなかなか。和菓子独特の言葉のみならず、デパ地下ならではのイベントだったり、業界用語なども出てくるので、そっちの業界にいた人にとっては、謎とは思わないかも知れませんが、私はほとんど知らなかったので、とても楽しめましたよ。
このシリーズは、2冊、出版されているようですが、今後も期待してしまいますね。
是非!
作品情報
単行本;2010年 光文社
文庫本;2012年 光文社文庫