箱根の山にある寺の謎に迫る京極夏彦さんの「鉄鼠の檻」を読みました。
(Amazonより)
(上の画像をクリックするとAmazonへ)
作品情報
出版社、出版年月等
ノベルス;1996年 講談社ノベルス
文庫本;2001年 講談社文庫
分冊文庫;2005年 講談社文庫
文庫本(新装版);2016年 講談社文庫
永久保存版;2018年 講談社
あらすじ
京極堂は、箱根の山奥に半分土砂に埋まった蔵に残されていた書籍の鑑定に赴く。その蔵には、年代ものの書籍が残されており、謎が多かった。
その頃、京極堂の妹、敦子は、鳥口とともに箱根の禅寺に取材にでかけるが、宿泊した宿で僧侶の死体を発見する。
同じ箱根を舞台に、蔵に残された書籍の謎と僧侶の殺人事件の謎をを京極堂が鮮やかに解き明かす。
雑感
京極夏彦さんの百鬼夜行シリーズの4作目です。舞台は箱根。久々に読み返しましたが、楽しめました。
(以下、ネタバレあります。)
ネタバレあり
最初にこの作品を読んでいる時に、たまたま箱根に旅行に行きました。仕事終わりに友人とロマンスカーに乗り、現地で車で移動してきた友人と落ち合って・・・・・・という旅行でした。
宿泊した宿の名前は「環翠楼」。
作品に出てくる宿は「仙石楼」。
ただの偶然ですが、私にとって印象深い作品の1つになりました。
あれから20年。今、読み返してみても、とても楽しめる作品です。
『禅』について語られる場面が多い作品です。(かなり難しいです。)年齢を重ねれば理解できる部分もあるかと思ったのですが、まだまだ、修行が足らないようです。(という表現が正しいのかどうか……を考えさせされる作品です。)
骨董屋の今川さんが登場します。このシリーズのなかでは、前作の『狂骨の夢』の伊佐間屋とならび、私のお気に入りのキャラクターです。
骨董についてかなりの知識があるのにもかかわらず、謙遜し、知らないものは知らないという姿勢に共感します。
私は、分厚い文庫本を持っていますが、分冊版やKindle版もありますので、重いのをためらわずにどうぞ。
(永久保存版)